魔法のチーズ・ケーキ
「ヒースくん
夕食は食べていくだろう?」

月光を浴びた教授の顔が
一瞬 透けて

その皮膚の下に
小さな小さな白い虫が

幾万匹も蠢くのが見えた。

「ゆっくりしていくといいだろう。

この街の人間のように
ずっとずっと
ここから出なくとも」


階下で
ちりん
ちりりんと誰かが
鐘を鳴らしている。
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