RUNA戦記Ⅲ~水晶宮に眠る竜~



—水晶宮へ行ってはならぬ。あそこは歪んだ空間…長いをすれば、実と虚が入り混じり、しまいには自滅する…。



 この言葉は、よく谷に来ていたリアム老に言われた。彼は、元気なのだろうか。



—ルナ、気をつけて。アンタは狙われてる。一つの判断ミスで、命を落としかねないわ。



 妖精(エルフ)のシャーンの言葉。未だに、彼女の警告の意味は分からないが、確かめることはできない。この言葉をくれた日、彼女は忽然と姿を消したのだ。


 シャーン…どこにいるの?


 そもそも、彼女と出会ったのは、彼女が天から降ってきたときだ。

 鳥に襲われて落ちてきたのを助けたのが、ルナの母だった。傷が完治するまで、ルナはシャーンとずっと一緒だった。友達だった…。








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