RUNA戦記Ⅲ~水晶宮に眠る竜~





「ルナだろ」

 彼女は、驚いた表情で、こちらを見てくる。


「え、何で…?」

「だってさ、オマエ、マインでも溺れてたろ。だから、次は俺が助けてやるよ」



「良かった…。あのね、この質問、サールにもカナテにもしたんだ…。けど、二人ともティカを選んだ。私はしっかり者だから、自力でどうにかできるって、そう思われてるみたい。こう見えて私、カナヅチなんだけど」



 ルナの淡々とした口調に、愛おしさがこみ上げてきた。


 彼女の背中に手を回し、抱き寄せる。

「え…ちょ…」









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