RUNA戦記Ⅲ~水晶宮に眠る竜~
ゲルブは目を開けた。何かの気配を感じて、辺りの様子を窺う。
まだ、養成所にいた頃の鋭い勘がゲルブの中で生きていれば、おそらく、囲まれている。
「誰だ!?」
ゲルブは、叫んだ。
それが引き金となったように、薄暗かった空間が明るくなる。
真っ先に目についたのは、水晶の柱たち—ここは、水晶宮のようだ。
続いて、目に入ったのは—
「引っ掛け(トラップ)か!?」
ゲルブの正面、左右、後ろに立っている、自分自身。