RUNA戦記Ⅲ~水晶宮に眠る竜~
むろん、それは柱に映った自分ではない。
左右にいるゲルブも後ろにいるゲルブも、皆、こちらを睨んでいる。柱に映った自分なら、見えるのは、横顔の筈。
—水晶宮は実であり、虚である。
本当に、その通りだ、ルナ。
おそらく、この四体は偽物、つまり引っ掛け(トラップ)だ。
「どうやって、倒せばいい…?」
ゲルブは電刀と、ルビーの剣(朱刀)を構えた。他の四体も、同じ動きをする。姿だけではなく、判断も一緒らしい。
ん?
ゲルブは、ニヤリと笑った。