RUNA戦記Ⅲ~水晶宮に眠る竜~









『そうだね…たしか、ギリシアから来たって言ってたよ。世界を救うためにはアラヌスの力が必要なんだ、とも。娘に協力してくれ、って』


 あぁ…やっぱり。


 ルナは涙をこらえる。


 間違える筈のない、人物だった。


 父さん…。




「あなたは、どこにいるの?会って話をしたいの。私も、世界を救いたい…!」




 短い沈黙が、場を制す。




『いいだろう。目を閉じて僕のことを念じながら、そこのアーチまで歩いてごらん』





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