RUNA戦記Ⅲ~水晶宮に眠る竜~
「じゃあな、ゲルブ。あとはオマエに託したぞ。…頼んだぜ」
「任せてよ、兄ィ…」
兄は、小さく微笑み、ルナの傍に歩み寄った。
何かを小さく囁き、またゲルブに向き直る。
彼が、拳を出してきた。
ゲルブも拳を出す。
「仇討ったらさ、真っ先に兄ィに報告する」
約束だ、そう付け足すと兄は、目を細めた。
「待ってるよ」兄が囁くように。「父さんや母さんにも…オマエのこと話しとくから」
兄の姿が掻き消えた。
『オマエならやれる…って、信じてるから』