RUNA戦記Ⅲ~水晶宮に眠る竜~







 とりあえず、文句。


「もう穴じゃないよ」ゲルブは後ろを向いた。「あ、気をつけて。ここ、足場が狭いから」


 後ろには、漆黒の闇があった。



「一ついいか。暗くてあまりよくわからないが、ここは谷か?」


 暗闇の向こうに、岩壁が見える。


「うん」ルナは言って、岩壁の上を指差した。「あの灯りは小人(ドワーフ)の村の筈」


 ルナが、こっちを向いた。


「あそこに辿りつけば…」

「辿りつけば?辿りつければ、じゃなくて?」


 ここから先に、向こうへ行く道は見えない。









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