RUNA戦記Ⅲ~水晶宮に眠る竜~
とりあえず、声の主を確かめねば。ゲルブは、声の主を見た。
「君、どっから来たの?名前は?」
ゲルブの腕に両手でしがみついたルナが、小声で。
「僕、ベイン。村から来たんだ」
見れば、小人だとすぐにわかった。
背は小柄なルナの腰くらいまで。か細い体つき。耳は小さな体とは対照的に大きく、先が尖っている。
ソフトボール大の大きな目が、闇の中で輝いている。
「村っていうと…あそこ?」
ベインはニシシと笑い、頷くと、
「こっちに道があるんだ」
そう言って歩いていく。