RUNA戦記Ⅲ~水晶宮に眠る竜~
それが、彼なりの笑顔だと気付いた頃には、村の近くまで来ていた。
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「ふぇええええ〰。こ、腰がぁぁ〰」
カナテたちが、低レベルな喧嘩を繰り広げている頃、こちらはワイヤーを渡っていた。
二本のワイヤーは小人に合わせた間隔で上下についているから、ルナもゲルブも悪戦苦闘していた。
ルナは小柄な分、まだマシだった。しかし、ルナより頭1.5個分身長の高いゲルブはエビ並みに…あるいはそれ以上に腰を曲げ、落ちそうになっている。
「きゃぁーっ」
川に入る前に脱いだ靴が恋しい。ワイヤーが足に食い込んで、泣きたいくらいに痛い。