RUNA戦記Ⅲ~水晶宮に眠る竜~





「あ゛〰」


 わずか百メートルのワイヤーを渡るのに、十分は要した。



 ゲルブの隣で座りこんでいると、辺りが騒がしくなった。



「あぁ、ベイン!心配したわ!」



 ベインとそっくりな顔の女の子が駆け寄って来る。



「ラミ!!」




 その彼女を追ってきたのは、母親らしい。


「そっちの人たちは、誰だい?」

「あっちにいた、魔女だよ!こっちの人は服に穴が開いてるし、魔女さんも傷だらけだから連れてきた」


 ベインの言葉に、女の小人が睨んでくる。何か、怖い。






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