RUNA戦記Ⅲ~水晶宮に眠る竜~
「だとしても、イヴァンはどこに行きたいって念じたわけ?」
珍しく、ティカが会話について来ている。
いつもなら、どういうこと、とか意味わかんないというのに。
「そういや、ルナ。あの裂け目を通る前のこと覚えてるか?」
ゲルブが言った。
…。
引っかかっていたのは、これだ。でも、まだ何かが引っかかっている。
「…うん。歩いても、どこにも辿りつけなかった、あのときだよね?」
「あぁ。あのとき、俺らには目的地がなかった。目的地がなければ、どこにも辿りつけなかったんだ」
「どういうことよー?」
あぁ、始まった。ティカのおバカぶりが。