RUNA戦記Ⅲ~水晶宮に眠る竜~





 ルナが丸くなっているのは、掛布団を床で眠るカナテに譲ったからだ。


 二つのベッドの間で、カナテは掛布団にくるまって寝ている。


 イヴァンはまた、寝転んだ。



 直後、再び寒気がした。



 この感じ…始まりやがったか…。



 イヴァンは、起き上がって足元を見た。床に潮の香り漂う水が溜まりつつある。きっちり閉められた、嵌めごろしの窓から大量の海水が流れ込んでいる。


 イヴァンはヤレヤレと首を振った。

 幻だとわかっていても気味が悪ィな…。













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