RUNA戦記Ⅲ~水晶宮に眠る竜~





「それよか、カナテ。早く着替えろよ。もう、皆着替えてるから」

 ゲルブは早く出発したくて、催促する。どうも、潮の香りはきつくって嫌いだ。

「わかった」

 カナテはそう言って、寝間着のキトンを脱ぎ始める。

 ルナとティカが悲鳴を上げながら、砂浜から逃げ出した。

「ルナーッ、忘れ物ーッ!!」

 イヴァンがゲルブの左で声を上げる。

 しかし、ティカの殺人的な悲鳴にかき消されてしまった。

「おーい、着替え終わったぞ!!」


 カナテの声も届かなかったらしく、ゲルブが二人を呼びに行く羽目になった。











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