RUNA戦記Ⅲ~水晶宮に眠る竜~
「今年の秋は、平年以上に寒いよ。春は、まだ暖かい方だったんだけど。特に明日からは風も強くなるそうだ」
そんなぁ…。
でも、これも一族のためだ。
「私、登ります」
「そっか。なら、服は丈が長い方をお勧めするよ。雪は、かなり深く積もってるから」
「あの、あなた、誰ですか…?」
「僕?羊飼いのエイダンだよ」
彼は、ニコッと笑って、店を出て行った。
ティカは、白いキトンを持ってカウンターに向かった。