RUNA戦記Ⅲ~水晶宮に眠る竜~





 ゲルブは、雑念を、慌てて振り払う。



—俺も聞きたいよ。

 あのとき…マインであったときのリュオンの言葉が耳元に蘇る。

 何故、リュオンは、あんなにも悲しそうだったんだろう。


 俺の一族を殺ったときとは、別人だった。

 鬼みたいな気迫が—殺気が、消えていた。

 もしかしたら、あの穏やかなリュオンが本当のアイツだったのかもな。

 
「ただいま〰」

 ルナが、帰ってきた。









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