RUNA戦記Ⅲ~水晶宮に眠る竜~




 イヴァンが悲痛な声を上げた。



「…そんなこと、ないよ。言っては悪いけど、ここにいる私たち四人はあなたのお父さんに一族を殺されたの。あなたはそれを知らなかった…だとしたら、何で自分の父親が狙われていることは知っているの?」



「ンなこと、テメェに話すつもりはねェ!!それに、俺の父さんが人殺しなんてありえねぇ!」



 ルナは俯き、口を開いた。

「そうだよね。信じたくないことだって、ある。私にもあった。だから、あなたの気持ちは、よくわかるよ」



 カナテは下唇をかんだ。心がズキズキ痛む。

 ルナの言っていることが何かを知っている…。














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