RUNA戦記Ⅲ~水晶宮に眠る竜~





「カナテ、俺は休みたくねぇんだが」

 …この闇の中で移動すれば、下手すりゃ迷子だ。そりゃあ、存在するか否かさえわからない場所を探すのだから、初めからルートなんてない。

 だが、少し、道を誤れば、命を落としかねないのが、雪山だ。


「やーよ、休む!」

 ティカがイヴァンを睨みつける。


「暗い中の移動は、迷子になりかねない。そうなれば、ルナともゲルブとも会えなくなる。とりあえず、朝までまとう」


 カナテは、本当は嫌だが、ティカに助け舟を出す。







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