RUNA戦記Ⅲ~水晶宮に眠る竜~




「…しゃーねぇ!だが、俺は決して屈したわけじゃ、ねぇからな!!」

「や、ここは屈してくれよ」

「ティカ、オマエには絶対に屈しねぇ!!」

 イヴァンは唾を飛ばしながら吼え、こっちを見る。

「ところで、どうやって、眠るんだ?」

 あ…。



 今、ここに寝転べば、明日の朝には凍死。はい、さようなら、だ。

「寒さをしのげればいいんだろ?」

 カナテは魔法でスコップを出し、近くに穴を掘った。

 人が一人通れる穴を、地下十メートルまで掘り、その先に部屋を二つ作る。

「この小さい方がティカ、大きい方が俺とイヴァンな」

 どうにか、今夜の寝床は確保できた。

「ほら、もう寝れ。明日も早いからよ」

 










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