RUNA戦記Ⅲ~水晶宮に眠る竜~
目を開けると、右ではカナテが着替えていた。
「はえーな」
イヴァンも服を脱ぐ。
「イヴァンってさ、案外筋肉あるんだな」
カナテが、こっちを見て言った。
「へ?」
「ほら、この辺とか硬いじゃん」
カナテが、二の腕に触ってくる。
そりゃ、そうだろーな。
十歳のときから、五年間、ずっと盗賊やってたんだから。
パロの王だった父に反抗したかった。父は姉には優しいのに、自分には厳しかった。だが、やはり父のことは心配なのだろう。