ベイビー&ベイビー
第1話
第1話
「さてと、真理子さん。俺、帰るわ」
「あら、もう帰っちゃうの? 拓海」
「明日会社早いから。真理子さんはどうする?」
「そうねぇ。私はここに泊まってくわ」
「わかった。じゃあ」
そういって俺は真理子の頬に口付けを落とすと、さっさとスーツを着てホテルの一室を後にした。
ホテルのロータリーにでてタクシーを捕まえると、すぐさま自分のマンションの住所を言って目を閉じる。
真理子との付き合いは結構長い。
お互い後腐れない付き合いを望んでいるため、いつこの関係が終わるかはわからないが、結構続いている。
なかなかに居心地がいい関係だ。
真理子もきっと俺との大人な関係に満足しているに違いない。
如月真理子。
彼女は新鋭小説家だ。
デスクワークは思った以上にストレスが溜まるという。
その憂さ晴らしというか、ストレス発散がSEXということだ。
彼女のポリシーは恋人を作らないこと。男なんていなくたって生きていける。
それが彼女の口癖だ。
しかし、体の欲求は素直なものらしく定期的にSEXはしたくなるらしい。