ベイビー&ベイビー
第2話
第2話
「あれ、拓海君。城之崎君は?」
「ああ、城之崎君ならビールが足りなくなってきたからって買出しに行ったよ?」
「あらー、一人で大丈夫かしら?」
「大丈夫。前田君も一緒にいったから」
なら大丈夫ね、とウーロン茶片手に明日香は笑った。
うちの課はかなりの酒豪ぞろいだ。
「すぐに酒なくなるから、かなり買っておいて」
そういっておいたのだが、新人の城之崎と前田はこれほどまでに早くアルコール類が終わるとは思ってもいなかったのだろう。
会も酣、酒豪たちのピッチも早まる一方、アルコール類は確実に底を突こうとしていた。
きっと二人は慌てて買出しに行ったに違いない。
まあ、あの二人なら大丈夫だろう。
大学では城之崎はラグビー、前田は砲丸投げ。
どちらも体力も力も有り余っている様子だ。二人だけでも、この酒豪たちのアルコール類を買ってくることができるだろう。
「そういえば、明日香ちゃん」
「なあに、拓海くん」
「今年もあった?」
同期であり、課のマスコット的存在。笹原明日香に聞いてみた。
明日香は、俺がそう聞くと、ニヤリと口角をあげて自分の背中ごしにおかれていたビニール袋を俺の前に差し出した。