夏と秋の間で・甲
「ハハ、ありがとよ。でも、お前もいい加減、俺なんかと付き合ってないで、アプローチかけろよ。」



「何が?」



「サンマが好きな男に決まっているだろう?最近、どうなんだよ?」



「あ・・・・。」



 ソレを聞かれた瞬間に表情が曇るサンマ。



「どうした?最近、うまく行ってないのか?」



「う~ん・・・まぁ、そんな感じかな?今までとはちょっと、状況が変わってきたって言うか、なんて言うか・・・・。」



 言葉を濁しながらの寂しそうな亜紀の声。



「そうか・・・。」



 そうとしか、返せなかった。



「でも、いいんだ。」



「何が?」



「私は、私なりのやり方で、そいつのことを好きでいるよ。」



「何だ、それ?」



 意味が分からなかった。



< 106 / 221 >

この作品をシェア

pagetop