夏と秋の間で・甲
「何?・・・お前、もしかして気がついてないの?」


 焼けたお好み焼きを自分の皿に乗せる速人。



 お互い、お好み焼きしか見てないため、顔をあわせない会話が続く。



「・・・だから何の話だって?」



「・・・・・お前って、見かけによらず鈍感なんだな?」



 速人のため息交じりの声。



 見ていて、少し腹が立った。



「なんだよ?言いたいことがあるなら、ハッキリ言ってくれ。」



 いい加減、我慢の限界だった。



 いったい、速人は何が言いたいというのだ・・・。



「だったら、この際ハッキリ言ってやるけどな。・・・・サンマのヤツ、十中八九お前に惚れてるぞ。」



 意外すぎる発言。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」



 すぐには、理解できなかった。



 何を言っているんだ速人は?


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