夏と秋の間で・甲
「いきなりそんなこと言われても・・・・・・・・・・・・・・・・わかるもんかよ?」



 しばしの無言の後に、小さく答える。



 そうとしか返しようがなかった。



「・・・・・まぁ、普通そうだろうな。」



「分かっているなら聞くな。」



「でもな・・・・俺が見る限り、今の関係を続けるのは悪いと思うんだよ。大場さんにとっても、早川先輩にとっても、サンマにとっても、今の望巳すごく酷な存在だ。」



 手痛い言葉だが、反論などできない。



 速人言っている言葉は、痛いほどに正しい・・・・。



「・・・・ああ、分かってる。」



 短い返事。



 自然と声に力がこもっているのが分かる。



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