夏と秋の間で・甲
「だったら・・・・・。」



「でも、すぐに答えを出せるわけねぇだろう?いきなりサンマが俺のこと惚れているって言っても、今までそんなこと考えたことなかったんだぞ。」



 速人の言葉にかぶさるように声が出た。



「ああ・・・・そうだったな。俺が悪かった。」



「いや、速人があやまることじゃないけど・・・。」



「でも、やっぱり俺はできるだけ早く答えを出した方がいいと思う。サンマだっていつまで前のこと好きなのか分からないからな。」



 速人が言うと、すごく重みがある言葉に感じだ。



 自分は、いい友人を持ったのだろう。



「ああ・・・・、分かってる。」



 タバコをくわえながらの短い返事。



 そうとしか、返しようがなかった。



 それから、二人はお好み焼き激論(お好み焼きの美味しい食べ方について)を繰り返して別れた。



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