夏と秋の間で・甲
「どういたしまして・・・。」



 ようやく亜紀に笑顔が戻る。



「お前って、お袋みたいなヤツだな。」



 正直な感想だった。



 空を見上げ、日差しが強くなってきたことを感じる。



 あと少しで期末テストが始まる。ソレが終われば夏休みだ・・・。



 今年は、いったいどんな夏休みになるのだろうか・・・・。



「それ、全然誉め言葉じゃないよ。」



 太陽の光が当たらないとはいえ、熱気が伝わる体育館裏。



 望巳と亜紀は、二人仲良くタバコを片手に笑顔を振りまく。



 そんな六月の午後だった・・・。


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