夏と秋の間で・甲
 私がタバコを吸い始めたのは、よく覚えてないが、たぶん中学校2年生の頃からだと思う。



 別に悪い友達に進められたとかではなく、ただ、なんとなく吸い始めたのだ。



 それでも、当時はまだふかす程度で満足していたし、吸う本数も、月に何本程度だったから可愛いものだろう・・・・。



「ふぅ~。」



 制服姿のままだったから、公園の雑木林に身を隠して、火をつける。



 タバコのニコチンが自分の頭を襲いグラグラしてくるが、ソレがとても気持ちいい・・・。



 このまま、おかしくなって死んでしまえばいいのに・・・。



「太刀魚さん?」



 唐突に後ろから男の声が聞こえた。



 もしかして先生!!



 私は急いでタバコを隠して身を乗り出した。



「あの、いや・・・これは・・・・。」



「やっぱり、太刀魚さんか。」



 しかし、そこにいたのは先生なんかではなく、同じクラスの斉藤望巳だった。



 いつも、速人くんと一緒に行動している何かと目立つ男子・・・・。



 これと言って、札付きの悪という感じではないけど、どこか自分からは怖い印象を与える人物だった・・・・。



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