夏と秋の間で・甲
「うん。それでいいよ。」



 笑顔を向ける望巳。



 やっぱり、人懐っこい笑顔をしている。



「だったら、私のことも・・・。」



 亜紀でいいよ・・・といおうとした瞬間。



「太刀魚さんは、サンマだな。」



 唐突に言われた。



「は?・・・・なんで?」



「だって、たちうおって、別の読み方するとサンマじゃん!!」



 ・・・・違う。



「違うよ!!私の苗字は「太い刀に魚」って書いて「たちうお」。サンマは、「秋に刀に魚」でしょ?」



「え?・・・そうなの?」



「そうだよ。案外、望巳って教養ないね。」



「うるせえ、体育だったら常に5をとってるぞ。」



「ソレって、私は馬鹿ですって言ってるようなモンだよ。ついでに、技術も成績いいでしょ?」



「・・・・う、うん。どうしてソレを?」



 やっぱり・・・・



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