夏と秋の間で・甲
「ん?」
その日、望巳は速人の学際の手伝いをしていて、帰りが遅くなった。
午後10時。
明日も学校があるコトを考えると、ちょっと遅すぎる時間だ。
しかし、そんな時間に隣の家から出てくる影が見えた。
どう見ても、男の影。
夏休み前に止まっていたクラウンも最近は見当たらなくなった。
・・・・・新しい男か・・・・。
思わず、ため息が漏れる。
近くに車が止まってないところを見ると、今度の男は車を持っていないのだろう。
まったく・・・・・。