夏と秋の間で・甲
「先輩、どうしてここにいるんですか?」



 聞くべきことではなかったかもしれないが、こんな状況では聞かざる得なかった。



「お前こそ、どうしてこんなトコロに?」



 当然の質問だろう。



「どうして・・・って、ここ俺の家ですよ。」



 口にしながら、自分の家を親指で指す。



「・・・・隣だったのか?」



 誰の家と・・・・・・・?



 だれのいえと・・・・?



「早月さんですか?」



 確信のない疑惑は望巳の想像力をかきたて、徐々に憤りのない怒りへと形をかえていく。



 ・・・・もし、それが・・・もし、それが、自分の考えている通りだとだしたら。



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・容赦はしない。


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