夏と秋の間で・甲
「なんで?」



 思わず、そんな言葉になって出た。



「いや・・・望巳くんご飯食べてないって言うしさ・・・。それに・・・」



 それに、なんだというのだ?



 もし、早月さんに言い分があるというならば、相手が違う・・・。



「悪いけど、遠慮しとく。」



 心から思った。



 早月さんとご飯を食べるならば、1人で冷や飯を食べた方がよっぽどマシだ。



「あ・・・・・・。」



 しかし、それを聞いた瞬間、早月さんの瞳が潤み一滴の涙をこぼす。



 綺麗に、右目からこぼれる滴。



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