夏と秋の間で・甲
レストラン
深夜と呼ぶにはふさわしい、夜11時のファミリーレストラン。
「それでね、ここのパフェを頼んだのはいいんだけど、お金が足りなくてさぁ~・・・」
早月なのははメニューを眺めながら、笑顔で喋る。
何かを忘れるように・・・。
何かを誤魔化すように・・・・・・。
「・・・・・・。」
望巳は、それを黙って聞きながらタバコを吸う。
何も聞きたくないから・・・。
何も、喋りたくないから・・・・。
「それでさぁ~仕方ないから、家の両親に電話してお金を持ってきてって、頼んだんだよ。そしたら、私の両親なんて言ったと思う?」
・・・・・どうでもいいよ。