夏と秋の間で・甲
「あ~、暇だ~。」



 いつもなら、誰かしらと遊んでいたような気がする土曜日。



 することもないので、望巳は仕方なく山の手公園に来ていた。



 バイクを走らすのも金がかかる。



 公園のベンチで腰掛け、空を見上げなげながら、これからどうすればいいのかを考えるが、答えなんて出るはずもない・・・。



 いや・・・・本当は出ているのかもしれない・・・・・・・・・。



 ただ、それに目を向けられない自分がいる・・・・・・・・・。



「望巳くん?」



 ふと、自分を呼ぶ女性の声が聞こえた。



 顔を向けると、そこにいたのは早月なのは。



「あ、早月さん・・・。どうしたの、こんなところで?」



「うん?私は、これから先輩とデートなんだ。」



「あ、そ・・・。」



 聞くんじゃなかったな・・・。



< 193 / 221 >

この作品をシェア

pagetop