夏と秋の間で・甲
「・・・・色々って?」



「う~ん・・・例えば、お前って俺にとってはどういう存在なのか・・・とか。昔の告白はどういう意味だったのだろうとか・・・?」



「・・・・それってどういうこと?」



 亜紀の戸惑ったような表情。



 それが、自分の気持ちに揺らぎをかけるが、ここで踏ん張らなくては男ではない。



 望巳は、タバコを大きく吸って・・・・。



「あのさ・・・遅れて悪かったけど、俺なりに答えが出たから、返事をしようと思う。最後まで黙ってきていて欲しい・・・・。」



 紫煙と共に声に力を込めた



 まとまらない。だけど自分が出せるだけの懇親の言葉。



「・・・・・・・・・・・・・・・うん。」



 それに対して、とても短い返事を返す亜紀。



 顔に力がこもっているのが分かった。



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