夏と秋の間で・甲
「良かった・・・。」
自然と自分も笑顔がこぼれていた。
もうすぐ9月も終わる・・・。
10月に入れば、すぐに中間テストだ。それが終われば、厳しい冬が待っている。
きっと、自分と亜紀はこれからも付き合うことはないだろう。
でも、ずっと傍にいよう・・・・・。
呆れるぐらい・・・・・・・・馬鹿みたいに・・・・・・・・。
「何か、私たちって、こうしていると、付き合っているみたいだね?」
帰り道、隣を歩いていた亜紀から、ふと言葉が漏れた。
「ああ・・・また誤解されちまうな。」
「困ったね。」
亜紀が笑顔で言う。
「困ったな。」
それに対して、望巳も笑顔で答えた。