夏と秋の間で・甲
一息ついて。
「でも、そうか・・・・。望巳が、本気でサンマのコトを好きになるなんてな~。」
顔を見ながらにやける速人。
「うるせぇ、誰にも言うなよ!!」
「分かってるよ。でも、さっさと言ってやれよ。あいつ喜ぶと思うぞ。」
「だから、言えないんだろう?」
「ハイハイ・・・・。」
顔をうつ伏せ含み笑いをする速人。
「なんだよ?」
「いや。面白いなぁ~・・・と思ってな。まだ「好き」の一言も言えないようなお前たちが俺たちの公認カップルなんて・・・。」
「だから、俺たちは付き合ってないんだって!」
思わず、場所をわきまえず、声を張り上げてしまった。
「また、そういうこと言う・・・・。」
お好み焼きを皿にワケながらも速人のニタニタした笑顔はとどまらない。