夏と秋の間で・甲
「・・・・なるほど。そういうことですか?」



 自然と笑みがこぼれた。



 速人も隅に置けないヤツだ。



「誰にも言うなよ!!」



「分かってますよ、速人さん・・・・。」



 心から笑顔がこぼれた。



 うれしかった。



 自分の一番の友人に好きな人ができたことが・・・それに対して本気であることが。



「ホントかよ?」



 顔をしかめる速人。



「まぁ、サンマには言うかもしれないけどな。」



 もちろん嘘ではあるが、とても言いたかった・・・。



「一番、言ってはいけない相手だろ?それ!」



 速人の本気の焦りようが見ていて笑いを誘った。



 しばらく、腹の底から本気で笑い続け・・・・。



「頑張れよ。」



 笑顔を向けて、力強い言葉を送った。



 もちろん部活のコトもあるが、それだけじゃない意味も含める。



「・・・・ああ。」



 そう言う速人の顔は耳まで真っ赤だった・・・。

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