夏と秋の間で・甲
バイクを押し歩きながら、そんなことを考えていると・・・。
「お~い、望巳~。」
突然、後ろから自分を呼ぶ女性の声が聞こえた。
顔を向けると、亜紀がこちらに向かってくるのが見える。
足を止めて、こちらに追いつくのを待つ。
「どうしたんだサンマ?」
亜紀は今日、部活がある日だと聞いていたハズだが・・・?
「ヘヘヘ・・・雪が降ってきたから、中止。これから帰るところなんだ。一緒に帰ろう。」
・・・・お前たち文科系部に、雪は関係ないだろう?
「あぁ、そうだな。」
それでも、亜紀と一緒に帰れるのは、うれしかった。
「やったね。」
笑顔で腕を組んで、突然、身体を自分に擦り付けてくる亜紀。