夏と秋の間で・甲
「そう?なんか、望巳くんって変わってるね?」



 変わってる?・・・俺が?



「そうかな?」



「そうだよ。普通の男の子なら、コレぐらいの恩を売っておけばデートに誘うぐらいの浅はかさは見せると思うよ・・・。」



 俺が、早月さんをデートに?



「・・・・冗談。」



 思わず言葉に出ていた。



「失礼な・・・。」



 まぁ、そう言われるのも当然か・・・。



「フフ・・・。それが望巳くんのいいところかも知れないけどね。奥手なのも行き過ぎると損するだけだよ。せっかく、斉藤君カッコいいんだから。」



 カッコいい・・・?



 俺が・・・?



 それこそいい冗談だ・・・。



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