夏と秋の間で・甲

「・・・・そんなに、ショックだったの?」



 何のことについてかは、聞き返す必要はないだろう。



「うるせぇよ。」



 一言威嚇してから、言葉を続ける。



「・・・・別に、ショックって言うか、なんだろう・・・・・そういう可能性も考えていないわけじゃなかったんだけどな。」



 ただ、意図的に考えないようにしていた。頭の中で無意識に防壁をかけていたのだ。



 それが、突破され自分の中でどうしたらよいのか混乱したまま、まだ立ち直れないでいる。



 なんと、情けないことか・・・・・。


< 37 / 221 >

この作品をシェア

pagetop