夏と秋の間で・甲
「お前は、どうなんだよ?」



「一緒・・・・みたいな物かな?私もそいつにその女性以上の笑顔を向けることはできる自信がない・・・・みたいな。」



 周りにコギャル語を使う人間は多数いるが、亜紀が使うとすごい違和感があるように感じた。



「そりゃ、現実の男より、FFのクラウドが素敵なんて言っているような女だからな。」



「そりゃ、クラウド様は特別な存在だもの。でも、現実とそういう世界との区別ぐらいはつけているよ。たぶん、現実世界にクラウド様が現れたら私は逃げるね。」



「俺だって、逃げるよ・・・。」



 あんな巨大な剣を持ったツンツン頭は、あの世界だから許される格好だ。



「お前ら、高校生の分際でタバコなんて吸うなよ・・・しかも、校舎内で・・・。」



 男の声が、後ろから聞こえた。



 顔を向けると、速人がジュース片手に立っているのが見えた。



< 40 / 221 >

この作品をシェア

pagetop