夏と秋の間で・甲
「どうしたんだ?」



「いや・・・っていうか、お前帰ったんじゃなかったのか?」



 そういえば、2時間目からずっとここにいるのだ。



 帰ったと思われていても不思議はない・・・な。



「こんな時間に帰ったら、親がうるせえんだよ。」



 望巳の両親は共働きではあるが、母が時々昼間に帰ってくることがあるのだ。



 安易に家には帰れない。



「あっそ・・・そういえば、サンマ。美紀さんが探していたぞ。何か部活のことで話したいことがあるとか、ないとか・・・・。」



「あ、そうだ。合同本の打ち合わせ今日だった。」



 あわてたように、まだ、半分しか吸ってないタバコをドブに捨てる。



「それじゃあ、またね望巳、速人!」



 手を振って立ち去る亜紀、どうでもいいがタバコの臭い・・・ばれなねぇか?



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