夏と秋の間で・甲
「バイクのガソリン代も馬鹿にならないものでね。この時期は極力バイク通学は避けているんだよ。」
とりあえず、隠してもしょうがないので正直に話す。
「なるほど。金欠というわけだね?・・・望巳くんらしい。」
口にしながら、早月さんは、フフフとかわいらしい笑みを浮かべた。
「どういう意味。それ?」
「あ、別に可愛いと思っただけだよ。気に障った?」
笑いながら、自分の顔を覗き込む早月さん。
その顔は本当に愛らしく、それを見る限り、とてもスカイラインの彼氏と何かあったとは思えない。
「別に・・・。」
「そう?よかった・・・。」
「そういう、早月さんこそいつもの、車に乗ってる彼氏とはどうしたんだよ?」
コレと言った話題が見つからなかったから、単刀直入に聞いてみた。
実は、クラスの中で聞こえてくる女子との会話で大方の予想は付いているのだが、一応自分の耳で確かめたかったのだ。
「あぁ~彼?・・・もう別れたよ。ずっと前に。」
・・・・・・やっぱり。