夏と秋の間で・甲

「でも、今の彼氏とは好きだから付き合ってるんでしょ?」



「うん?そうだよ。そう言ったじゃん。」



「だったら、軽蔑なんてする訳ないよ。新しい彼氏、おめでとう。」



 自然と笑顔がもれた。



 たぶん、早月さん相手だからできた芸当なのだろう。



 もし、今自分の隣にいたのが早月さんではなく大場さんだったら・・・・・・・。



 ・・・・・・とりあえず、そういうことを考えるのはやめよう・・・。



「ありがとう。そう言ってくれたのは望巳くんだけだよ。優しいね。」



 そうだろうか?



「別に、社交辞令だよ。」



「なんだ・・・。まったく、その一言がなければ、好きになったかもしれないのに・・・。」



 早月さんが?俺を?



 ・・・・冗談。


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