月天使
「はい、さよなら~。」


あたしは警察署の部屋を出ていった。


「アホ言わんか!!あのガキ怖いんやぞ!!」


「はいはぃ…少し黙ってくださいよ。
話は後でゆっくり聞きますから…。」


そんな声が部屋から漏れて少しだけ聞こえた。

あたしは携帯をポケットから取り出した。


参ったな…今は10時25分。


もう二時間目終わったんじゃね!?

………てことは終業式終わった…。


「はぁ…。」


何故、何の罪もないあたしがこんな目に…。


「くっそぉ!!オヤジめーっ!!」


しかも、行きはパトカーだったのに

帰りはパトカーで送ってくれねーのかよ!!


歩きかよっ!あたしん家、近いけど…。


あたしは被害者だぞ!!

なめちゃいかんよ?


そんなこと思いながら歩いて5分。
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