月天使
そうよ…私が正しいのよ。
貴方はただ頷いていれば良いのよ。
私は少しフッと笑った。
「分かれば良いのよ。さぁ部屋に戻りなさい。」
「はい…失礼しました。」
そう言って月は廊下を走っていった。
バカみたい…ただの小娘が私に反抗するなんて
私をなめてるのかしらね?
「はぁ~…。」
また一つ大きなため息を溢した。
すると、
―――コンコンッ…
とドアのノックする音が聞こえた。
そしてメイドが中に入ってきた。
「失礼いたします。奥様、お紅茶とクッキーをお持ちしました」
「もう要らないわ。」
私は窓の夕日色に染まる空を見つめていた。
「えっ…あの奥様!?」
メイドがしつこく私に呼び掛ける。
「要らないって言ってるのよ!!分からない!?」
「はっ…はぃ!!かしこまりましたっ…」
そう返事して慌てたように
メイドは私の部屋を出ていった。
私は夜の空になるまでこの夕日が沈むまで
ずっと大きな窓から空を見つめていた。