月天使
「で、ボーッとしてないで早く教えなさいよ!!」
『ハイ。おそらく、その月様の連れてこられた男の子というのは浜島結大くんの事でしょう。年齢も14歳で月様と1つしか変わりませんね』
「あらそ~…それで!?」
『えと…顔にかすり傷とお腹には何か刃物で刺されたと思われる傷が3ヶ所、そして足の打撲傷。それとあと1つ気になった事がありまして…』
「何?」
『はい。実は首元に三日月の様なマークが入っていまして…これはタトゥーなのかと気になったのですが…』
私は男の話に興味はなかった。
私が興味があるのは…
「月は!?」
そう一つ聞いた。
そう、私は月の事が気になるのだ。
すると病院の女の声が
慌てたような声になった。
『月様はっ…病院にいつも来てたみたいです。ですが中には入っておらず、月様に使えていた執事などが毎日手紙を届けていたようです。』
「あらそ~勿論、月がそれをどこに隠しているのかも調べたのよね?」
『そっ…それは…』
病院の女の声が困ったようになった。
私は彼女のその声を聞いて呆れた。
「でしょうね…」
そう言うと彼女は
『すっ…すみません。失礼しました。』
と慌てた口調で電話を切った。
私は一つニヤリと笑みを浮かべ
「慌ただしい人ね…」
と笑った。すると…