月天使
―――ガラッ
と大きな音をたててドアが開いた。
「それはお母様でしょっ!!」
と私の前に立ち睨み付けたその綺麗な紫の瞳は
どこか悲しげな色をしていた。
「月、どうして!?」
私は思わず問いかけてしまった。
「酷い。朝早くから何の話かと思えば、あの病院で、ずっと見張られ、調べられてたなんて…」
月は私の方にますます目を光らせた。
「ふふっ…よく言えるわね!?」
私は冷静さを保ち、普通に話を交わす。すると…
「どういう事ですか!!」
月の顔が少し強ばった。
「とぼけないで?よく1週間、私に黙って外出できたわね?」
私は冷静に月を見つめた。
月は少し悲しい顔をした。
「貴方に話したところで何になるのですか。もう出ます。失礼しました。」
―――バタンッ…
ドアが小さく閉まった。
どうして彼女は悲しげなのだろうか…
そしてなぜ彼女はあんなに生意気な口が私に
出せるようになったのかしら!?
まぁいいわ。
ただの庶民ならパーティーに参加する事も
できないでしょ?月、残念ね…私の勝ちよ!!