月天使
ーーーそしてパーティーの日当日
屋敷には有名人や桁違いの金持ちで
いっぱいになった。
「月、用意はできたかしら!?」
私は衣装部屋に来て、
月の顔をまたじっと見てしまった。
「はい。大丈夫です…」
何故か私の心を黙らせるのよ…
その綺麗な瞳は…。
「それじゃ、早くいくわよ。」
悔しいけど今はこの、話を反らすような言葉
しか出てこなかった。
「はい。お母様。」
小さく頷く彼女はどこか嬉しそうに見えた。
―――コツンコツンっ…
と月の階段を降りる音が響いた。
私は舞台へ行き、お客様の前に立った。
「皆様、大変お待たせいたしました。本日の主役、我が望月家の娘、望月 月でございます!」
お客様が皆、階段を降りる月に注目した。
「何て可愛い子なのかしらね!!」
「あれが望月様の娘さん。綺麗ですね!」
回りからはそんな声が飛び交う。
月は静かにお客様方に手を振った。